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読書はイイゾ。

小説をゆるく紹介。感想も。

竜が最後に帰る場所 恒川光太郎 あらすじまとめ

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究極ファンタジーの詰め合わせ

恒川さんのファンタジーは素晴らしい。

ここには無い世界だけど、どこか探せばそんな世界もあるような気がしてくる。

こちらは、そんな恒川光太郎のファンタジー短編小説を5つ収録した短編集。

収録内容は以下のとおり。

  1. 風を放つ
  2. 迷走のオルネラ
  3. 夜行の冬
  4. 鸚鵡幻想曲
  5. ゴロンド

1.風を放つ

風を閉じ込めた小瓶

会ったこともない女が電話越しで話す、風を閉じ込めた小瓶の話。

自称霊感がある女の話によると、瓶を開けて風を放つことで、風はなんでも言うことを聞くという。人を襲わせることも可能なのだとか。

でも、その真偽は彼女さえ分からない。しかし、彼女はそうだと言い切る。

そんなものが本当に存在するのか分からない。存在したとしても、瓶を開けたところで何も起こらないかもしれない。

しかし、その瓶の存在を忘れることはできなかった。

2.迷走のオルネラ

不思議な力を持つ男

物語はとある廃墟から始まる。廃墟にはおじさんと少年がいる。

男は少年に、少年を苦しめるろくでなしの男を消してやるという。

殺すのではなく、存在ごと消してしまうのだと。

悪質な環境で育った少年

物語は打って変わって、クニミツという少年の話になる。

クニミツの家は母子家庭なのだが、宗岡という男が家に来るようになった。

最初は良かったものの、宗岡はときどき激昂し暴れるようになる。

暴力は次第に悪化し、家に入ることを断られた宗岡はついに怒り狂って、クニミツの母を殺し、クニミツを殺しにかかるところで警察に逮捕される。

その後、様々な経験を経て成長していくクニミツ。

そして大人となり、宗岡が釈放されたときクニミツは驚きの行動に出る。

そして、不思議な力を持つ男とクニミツの関係とはー。

3.夜行の冬

その音についていってはいけない

冬の夜、眠りが訪れるのを待っていると聴こえてくる鈴の音。

音の正体は夜行。

鈴の音がする夜には夜行様が歩いている。夜行様が歩く夜に外に出てはならない。

主人公の男は小さい頃、祖母からそう教わったのだった。

大人となり苦しい生活を送る男は、ある夜に鈴の音を聞いて外へと出ていくのだった。

4.鸚鵡幻想曲

擬装集合体とは

この世界には擬装集合体というものがある。

例えば、蟻が集合してが携帯電話に擬態していたり、テントウムシが集まってポストを形成していたり。

こういうものを擬装集合体と呼ぶのだ。

擬装集合体の解放

ピアノを購入した宏の前に、アサノという男が現れる。

アサノは擬装集合体を見極めることができ、さらにそれを解放することができるという。

アサノは実際に携帯電話を解放し、蟻の大群の姿に戻して見せた。

宏に近づいた理由は、宏が購入したピアノが何らかの擬装集合体で、それを解放したいのだという。

しかし、宏の部屋にきたアサノには別の目的があった。

アサノの真の目的と、宏の運命はー。

5.ゴロンド

とある生き物の成長を描く

実際には存在しない生き物。しかし、存在したかもしれない生き物。

そんなとある生き物の成長過程を描いた作品。

水中に産み落とされたゴロンドは、様々な危険を回避しながら成長し、やがて陸へ上がるようになる。

住む場所は移り変わり、ゴロンドを取り巻く環境は変わっていく。

やがてゴロンドは仲間の元へとたどり着き、自分らの使命を知らされるのだった。

 

ここにはない、なにか

どこを探してもそんなものはない。

だけど、ないとは言い切れない。

ここにはない、なにかを探すファンタジー。

これを読めばあなたも恒川さんの小説が好きになるはず。

 

竜が最後に帰る場所 (講談社文庫)

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